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■ 映画「ハーメルン」製作応援団東京支部 開設にあたって
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それは2011年10月半ばのある日、一本の電話から始まりました。
「映画監督の、坪川と申します。」私がマネージメントしている俳優・坂本長利さんへの出演オファーでした。その1週間後に初顔合わせし、更に1週間後、私は、撮影ロケ地となる福島県昭和村に向かって車を走らせていました。
映画「ハーメルン」は、新進気鋭の若手映画監督、坪川拓史さんの第三作目の長編映画です。
一作目の「美式天然」は、第23回トリノ国際映画祭でグランプリと最優秀観客賞の2冠を獲得し、二作目「アリア」もフランス・キノタヨ映画祭最優秀観客賞受賞。これまで20カ国を超える国際映画祭に招待され、高い評価を受けているにもかかわらず、日本では劇場未公開により知る人ぞ知るという監督です。
その監督の最新作「ハーメルン」の重要な役どころに、坂本さんが出演。主演は、西島秀俊さん、そして倍賞千恵子さんに風見章子さん、小松政夫さんらが共演します。
聞くと、2009年から風景部分の撮影を始めたものの、製作上の問題や天候不順などにより、度重なる撮影延期を余儀なくされた上に、2011年3月の大震災。キャストやスタッフの入れ替えも当然発生する中で、ようやく11月にメインシーンの撮影が開始されたという経緯がありました。潤沢な資金が無い中で、「坪川監督の作品なら」と集まった俳優・スタッフ陣。驚いたことに、映画製作資金のスポンサーが決定していないため、その製作費の大半を応援団が集めた募金によって賄っているとのこと。
その応援団は、物語の舞台、廃校となった喰丸小学校のある昭和村の村長さんを団長とする組織で、奥会津・会津若松・福島と3つの支部で構成されたまさにご当地映画を支える大きな役割を果たしていました。募金の目標額(映画製作費3,500万円)の内、2011年11月までになんと3分の1もの金額を応援団を通じてご寄付いただいているとのこと。更には、映画のクライマックスシーンに必要な折り鶴2万羽を募集したところ、予想を遙かに超える9万5千羽が集まったというエピソードにも胸が熱くなりました。昭和村での10日間の撮影においては、村を挙げてのご支援を頂き、おにぎりや煮物、汁物、揚げじゃがなど心のこもった差し入れの、なんと美味しかったことか。村祭りのシーンや、地元の子どもたちのエキストラ出演の時の溢れる笑顔も忘れられません。
奥会津支部長・遠藤由美子さんの応援団趣旨書には、「私たちは、この映画の応援団として、美しい日本、会津の風土の映像を地域活性化の起爆剤として、経済効率優先の時代に取り残された過疎の村から、人にとって忘れてはならない
“ 人と地域 ” の本物を発信し、この映画製作を成功させていきたいと思います。また、日本で第3位の高齢化率の昭和村の伝承文化や心の原点、五感を育んだ心象風景や地域コミュニティーを再認識し、県民・会津の多くの人の参加によって、現在、国道の落石による生活分断と疲弊する昭和村へ見える支援とエールを送りたいと思います。」とあります。
しかし震災後は、特に原発事故問題で福島が「フクシマ」として世界中に認知されつつある中で、この「ハーメルン」は、単に地域活性の起爆剤ではない、大きな役目をもって世界に発信されるべき映画であるという新しい意義が加わったのです。震災前から企画、撮影が始まっていたこの映画は、福島を舞台にしているとはいえ、一部ストーリーの改編はありましたが、震災後の様子や放射能問題といった事象には一切ふれてはいません。ただ、奥会津の美しい自然、ふれあう心、あたたかな光、静かな祈りがあるだけです。 「ヒロシマ」出身の私は、大きく心が動きました。
まずは、応援団の仲間に加えていただき、福島の方々を中心にした募金活動から、より範囲を広げて、目標額に近付けるようにしたい。この映画を必ず完成させて、より多くの方々に観ていただけるように働きかけたい。そう強く思い、この度、応援団の東京支部として活動させていただくことになりました。
どうか皆様、お力をお貸しください。
ご支援を、心よりお待ちしております。 |
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2011年11月吉日
映画「ハーメルン」製作応援団 東京支部 仲村映美
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応援団団長 |
馬場孝允(昭和村村長) |
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奥会津支部長 |
遠藤由美子 |
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会津若松支部長 |
新城希子 |
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福島支部長 |
和合アヤ子 |
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東京支部長 |
仲村映美 |
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事務局 |
舟木幸一 |
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〒968-0103 福島県大沼郡昭和村下中津川字住吉415
電話番号 0241-57-2114 (昭和村公民館) |
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